ベーシックインカムとは、国が国民の生存権もしくは生存権及び幸福追求権を経済的に保障するために、その目的を果たせるに足るレベルの金額のお金を月々、老若男女を問わず、国民一人一人に配るものです。それによって国民一人一人が消費に回せるお金が増え、その結果、景気と実体経済は安定し、V字回復し、再び成長しはじめるでしょう。
今後、AIやロボットによって人間の仕事がどんどん奪われ、うまく転職できた人達もほとんどの場合低賃金労働に従事することになってゆくでしょう。利潤追求・生き残りのための合理化・コスト削減競争が企業の性であるために、その流れを止めることはできないでしょう。
その結果、今後の世界において大多数の貧困層とごく少数の超富裕層との格差はどんどん広がってゆき、前者は生活できないどころか下手をすれば生きてゆくことも難しくなりかねず、ものやサービスを買う消費者の数も極限まで減ってゆくので、結局、世界の経済全体が破綻し、お金持ちの企業や個人も大損するでしょう。そうならないように、早期に、十分な額のベーシックインカムをスタートさせたいと私は考えます。
早期に、とは、現在(2019年)から3~10年前後、
十分な額、とは、現在(同上)の物価水準で、最低限月額一人10万円、できれば月額15万円以上、
と、私は考えています。
ちなみに、ニューズウィーク日本語版ウェブが「あと13年で5人に1人がロボットに仕事を奪われる」という記事を掲載したのは2017年11月30日でした。https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/11/1351_1.php
以下、ベーシックインカムをBIと記します。
上に述べたような理由があっても、次の四つのカテゴリーの人達はBIに反対するのではないでしょうか。
BI実現によって損をする人達。
BI実現のための財源の無理のない確保が難しいのではないかと考えている人達。
BI実現によって悪性のインフレが生じると考える人達。
BI実現によって経済に悪影響を及ぼす程度に人が働かなくなると考える人達。
逆に言えば、
「(個人も企業も)誰も損をしない」、
「無理なく財源を確保できる」、
「悪性インフレが起こらない」、
「経済に悪影響を及ぼす程度に人が働かなくなるようなことがない」、
その四つに加えて、
「早期に実現できる」、
「十分な額」、
という二つの条件を加えた六つの条件をクリアするBIが提案できれば、
あとは国民の合意を得ることができれば、BIは実現するでしょう。
私はこのホームページで、そういうBIについて、
悪性インフレを起こさないための景気対策国民積立預金という制度の提案、及び、政府マネーBIのバリエーションの一つであるOMMBIの提案も含めて、
記してみました。
景気対策国民積立預金とセットで政府マネーBIを実施するならば、月額15万円かそれ以上のBIの給付しても、「悪性インフレを起こさない」という条件はクリアできるでしょう。
また、私の考えるBIのフィロソフィーについても記しました。最後まで読んでいただければ幸いです。疑問や質問、ここはちがうんじゃないか、ここはこうしたらもっとよくなるんじゃないか、などありましたら、どうぞお寄せください。
2019年3月24日 荒井潤
なお、BIについて基礎的なことを知りたい方は、たとえば、ウィキペディア、ベーシックインカムをご覧ください。
また、駒田朗さん制作の次の動画「ベーシックインカム」第1回~第4回もわかりやすいと思うので、おすすめします。
ベーシックインカム第1回「なぜ今、BIが注目されているのか?」https://www.youtube.com/watch?v=Z1FNl55NQYk&t=44s
ベーシックインカム第2回「BIの思想史と定義」
https://www.youtube.com/watch?v=btKXGg7SRxM
ベーシックインカム第3回「良いBIと悪いBI」
https://www.youtube.com/watch?v=gHhnI3tCYYU
ベーシックインカム第4話「財源について」
1952年12月5日東京生まれ。東京大学法学部、同大学院修士課程、同博士課程と進んだあと、1983年同博士課程を期限切中退。以後、東大脱藩浪人。
1988年角川書店『野性時代』で作家デビュー。1989年1~5月、全国を回って「この夏の参院選で投票用紙に『原発いらない』と書ける選挙をやろうと呼びかけ、参院選「原発いらない人びと」が結成され、共同代表に。
2011年福島原発事故のあと、古事記のカグツチ神話(イザナミ・イザナギ神話の一部)が福島事故、そして広島・長崎への原爆投下を預言していたと読めると認識し、福島県飯舘村の山津見神社に伝わる白狼伝承やアメリカインディアンホピ族の予言を織り込んだ小説「涙の花と原発神」の日本語版と英語版をKindle電子書籍で発表。
2016年5月、日米独の市民169人と共に、憲法9条の発案者が幣原喜重郎元首相であることを示す「平野文書」「羽室メモ」などの資料群をユネスコ世界記憶遺産に登録申請。